部品が届きましたので、前回の思索を試してみました。
クラッチプレートをそれぞれ強制的に引き離してドラッグトルクを低減する方法から、クラッチストロークをなるべく確保して、切れ代をできるだけ増やし、スプリング・クラッチボスを廃止することにより、端面のフリクションディスクに掛かる圧力を減らすことにより、少しでもドラッグトルクを減らす方向で考えました。
組み付け後の結果は、ドラッグトルクはわずかに低減。でも、クラッチを切った状態での引き回しは、明らかに軽くなっています。オイル低温時のニュートラルの入りはまったく問題はなく、若干一速に入るときの引っ掛かりが増した印象です。ちなみにエンジンオイルは、コストコで購入したシェブロンの硬い方。試走してみると、シフトダウン時に渋い感じがありますが、温まると消えてゆく印象。シフトフィーリングは、粗雑になった感はありますが、確実にギアインできます。ニュートラルの入りは確実に改善されており、かなり温まった状態でも停止前にニュートラルに入れる場合は確実に入り、完全停止に多少入りにくくなるときもありますが、アクセルを若干あおるなどの行為でニュートラルイン可能になりました。以前は不能(クラッチを切り続ける)かエンジンを停止する以外に方法がなかったので、まぁまぁ改善されたと思います。
というわけで、クラッチストロークを稼ぎ、スプリングを廃止する方法は、私のSRX(3VN)には効果がありました。具体的にストロークを稼ぐ方法としては、プレッシャープレートのアジャストナットで、調整範囲内でなるべく遊びを少なくする。プッシュレバーの磨耗に注視する(今回は見ていません。)位しかなく、奥から二枚目のフリクションディスク2を通常のフリクションディスクに交換して0.2mm薄くする方法は、関係位置が変わるだけでストローク量としては同様であり、スプリング・クラッチボスを取り外しただけと効果としては同じだと思われます。
結論として、プレート同士を強制的に離す方法は、ストローク量が小さすぎて不可能で逆効果。スプリング・クラッチボスのわずかな張力でもドラッグトルクに影響してしまい、ニュートラルに入りにくくする要因になりうるということがわかりました。わずかな張力でも影響するくらいですから、それぞれの部品のわずかな交差でも影響を及ぼす可能性があり、個体差による入りにくさが出来てしまうと推察されます。また、クラッチプレートの精度が非常に高く、(マニュアル指定許容最大ひずみ0.2mmに対して実測値最大ひずみが0.024mm) プレート同士の密着が非常に高くなり、ドラッグトルクが増大してしまう結果になると推察されます。オイルの硬さ、性能によって現象に違いが見られる等も、これが原因であると推察されます。また、温度が上がってくると現象が現れるについては、油温上昇による粘度低下とともに、部品の膨張係数の違いからストローク量の減少(ケースはアルミ、プッシュロッドは鉄。)が考えられ、後者を是正することは難しいと思われますが、オイルの相性においては効果が見込めると思われます。
実際にオーナーであるかみさんに試乗してもらって感想を聞くと、完全ではないが、確実に良い方向に変化したと好印象でした。
そして、ほとんどの部品が無駄に・・
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